2022年度の監査報酬リスト(時価総額1兆円企業)

全て公表されている公表情報から1年前になりますが、2024年6月6日時点の時価総額1兆円企業を対象に監査報酬総額についてリストアップしてみました。
詳細は以下のリンク先をご参照ください。

Market Cap1兆円以上企業の監査報酬

対象企業の抽出は2024年6月6日終値時点のものを使用していますが、未曾有の日本株の株高の影響もあり、1兆円企業が173社となり、数年前に比べるとかなり増加した印象を持ちました。

表にあるとおり、日本の監査法人に監査報酬をもっと多く払っている企業は三菱UFJフィナンシャルグループの55億円2,500万円、海外子会社の監査等に関する各監査法人が提携するグローバルファームに払っている報酬が最も多いのは日立製作所の48億円、トータルで最も多くの監査報酬を払っている会社はソフトバンクグループの97億円2,000万円でした。ソフトバンクグループの投資先の多さや監査論点の複雑さを考えると、この金額感になぜか納得感が出てくるのは気のせいでしょうか。

一方で、監査報酬の支払額が少ない企業を見ていると、時価総額で日本企業第3位のキーエンスが3,100万円と、周りのランクイン企業と比較すると桁違いの安さで際立って見えます。

また、時価総額を10兆円超、5兆円、2兆円、1兆円という区切りで集計した結果は以下のとおりでした。ある意味、時価総額の大きさは会社規模にも比例するところがありますので、こういう結果になるのは必然かもしれません。

◼︎時価総額ごとの監査報酬(海外含む)の平均値と中央値

また、「日本の監査報酬は海外に比べて低い」という声もありますので、実際に日本で払われた監査報酬と海外のネットワークファームに支払われた金額を比較してみました。

海外子会社数が多い会社は当然ながら報酬も高くなるので、本来は会社数も考慮しないといけませんが、一旦それを度外視すると、日本の監査法人に支払った額よりも海外のネットワークファームに支払った額の方が多い会社は173社中89社あり、そのうち、日本の監査法人に支払った報酬額の2倍以上を海外に支払っている会社は50社ありました。

監査法人の人手不足や検討論点の複雑化等で日本の監査報酬も上昇圧力が強いです。今後も監査報酬の状況には注目していきたいと思います。

2024-06-16|タグ: , , ,
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