エネチェンジ事案から考える「連結範囲」

クイックに理解する「GK-TKスキーム」』のコラムを読まれた方から問い合わせで、連結範囲に関する相談を受けることがありました。端的に申し上げると、「売上は内部取引として消去したくないが、一方で当社の支配・影響力は残したい。そういう都合のいいスキームはないか」というものです。恐らく会社を経営されている方であれば誰しもが「あったらいいな」と考えるスキームではないでしょうか。

このような要望が浮かぶ背景には、連結財務諸表上の売上高や利益を最大化したいという経営的な動機があります。しかし、連結範囲の操作を目的とした不適切な会計処理は、重大なリスクを伴います。実際、2001年に発覚した「エンロン事件」は、この種の会計不正の典型例です。同事件では、エンロン社が特別目的会社(SPE)を利用して負債をオフバランス化し、自社の財務状況を粉飾しました。この結果、同社は破綻し、大手監査法人アーサー・アンダーセンも崩壊に追い込まれました。

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