収益認識会計と法人税 ― 会計と税務の接点をどう捉えるか

遡ること令和3年4月、いわゆる「収益認識に関する会計基準」が全面的に適用開始となりました。
企業が顧客との契約に基づき、財やサービスを提供し、その義務を履行した時点で収益を認識するという考え方は、従来の「実現主義」に比べて、より取引の実態に即した形へと進化したものになりました。
しかし、その一方で、法人税法上の収益計上との整合性やタイミングのずれといった課題も浮き彫りになっています。

これまで日本の会計実務は、出荷基準・検収基準・着荷基準など、企業ごとに選択した基準を継続的に用いることを前提としていました。ところが、収益認識基準では「履行義務の充足」という新たな概念を導入し、取引の実質を基礎とする5つのステップを経て収益を測定する枠組みが採られています。これにより、契約の結合や履行義務の識別、変動対価の見積りなど、従来の実務にはなかった判断プロセスが求められるようになりました。

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