ビジュアルで理解する「停止条件と解除要件」
契約全般の代表的な法律用語として「停止条件」と「解除条件」がありますが、言葉の意味から誤解を招くことが多く、理解するのに工夫がいる専門用語と言われています。今日はそんな紛らわしいこの専門用語について、イラストで説明してみました。
契約は締結したものの、前提条件を満たすことが条件になっている場合のこの条件が「停止条件」であり、契約の効力が発動している中で、一定の条件を満たせば、その効力が終わってしまう条件を「解除条件」となります。この点について、以下で理論的な説明も加えておきます。
まずは法律上の定義は以下となります。
民法127条 【条件が成就した場合の効果】
1 停止条件付法律行為は、停止条件が成就した時からその効力を生ずる。
2 解除条件付法律行為は、解除条件が成就した時からその効力を失う。
3 当事者が条件が成就した場合の効果をその成就した時以前にさかのぼらせる意思を表示したときは、その意思に従う。
停止条件は、その「停止」という単語から「契約の効果が停止する条件」(本来の意味の解除条件)と考えがちです。
法学的には「契約等の法律行為の効力を、発生するかどうか不確実な事実にかからせる特約のこと」とパッと見て内容が理解できない説明になっていますが、停止条件を英訳すると「Condition Precedent」となります。Precedentは「先行する」という意味なので、
『先行する条件=前提条件』
という意味合いになります。
一方、解除条件の英訳は「Condition Subsequent」となります。Subsequentは「その後」という意味なので、こちらは文字どおり「契約の効果発現後のその後の条件」となります。一定の条件が充たされた場合,その契約の効果(義務)の条項の効力は失効する、ということになります。
そして、停止条件、解除条件ともに、条件を満たせば自動的に発動、解除となりますので、それぞれ一般的な契約で必要な「意思表示」は不要になります。特に解除については、相手方当事者が解除の意思表示を行ってはじめて解除となる条項、いわゆる「解除条項(Termination Clause)」とは異なる点は注意が必要です。
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